There She Goes

小説(?)

ある光 / There She Goes #46

今週のお題「わたしの春うた」

色々な曲が思い浮かぶ。春の雷鳴から始まるアルバムとしては佐野元春Sweet16』から何曲か。あるいは高野寛「目覚めの三月」。だけど YouTube で聴ける音源がないので、苦し紛れに彼は一曲選ぶ。小沢健二「ある光」だ。歌詞が春と関係あるというわけではないが、新しい命の息吹を感じさせる曲だと思う。


小沢健二 - ある光

職場で彼の昇進が決まった。と言っても多少収入が増えて苦労もそれに伴って増えるというだけの話なのだけれど、まあまずは目出度いと考えようと思うのだった。具体的には 21 日から忙しくなる。未来のことなんて今どうこう心配したって始まらない。今出来るベストのパフォーマンスをやるだけ……。

最近ギュスターヴ・フローベール感情教育』を読み終えた。光文社古典新訳文庫から出ているものを読んだのだが、悪い意味で引っ掛かりのない翻訳であると思ってしまった。ツルツルと読めてしまうのだ。だからフラットというか、平板な小説であるという印象があとに残った。

そんなところだろうか。先日彼女と会うことは出来なかった。彼女は彼女で勉強中とのことなので、彼も彼で頑張るしかないのだった。ヒマな合間にフローベールを読んだりプルーストを読んだり……そんなこんなで日々は三寒四温の中過ぎて行く。去年の、いや一昨年の今頃小説をカクヨムで書いていたあの苦しみが嘘のようだ。

彼は仕事から逃げることしか考えていなかった時期のことを思い出す。今は違う。今は腹を括って仕事に前のめりに対峙しようとしている。それもまた彼女の影響なのかもしれなかった。彼女の姿勢を見習いたい……そして身だしなみを整え髭を剃ることから一日をスタートさせるのだった。

光文社古典新訳文庫からウィリアム・フォークナーの『八月の光』の新訳が出るという。差し当たってはそれに期待しようか……学生時代一応英文学を専攻していたのでフォークナーのその小説も読んでいたのだけれど、なにを読んだのかさっぱりという有り様なのだった。今は岩波文庫からも訳が出ている。これを機に読み返そうか。

あと他に書けることもないのだった。堀江貴文の本の新刊も欲しいと思ったのだけれど買うチャンスを掴めずに今まで来てしまった。ジル・ドゥルーズの本も欲しいと思っているのだけれど、買う切っ掛けがない。背中を押されるあの感触がない。衝動買いが収まったようで、それはそれで良いことなのかもしれないなと思うのだ。今手持ちの、無闇矢鱈と積んでいる本を読むので充分というか……ココ・シャネルに関する本も読みたいなと思っている。一時期シャネルの生き方にハマった時期があるので、伝記を色々と買い込んでいるのだった。

読めるようであれば岩波文庫版でマルセル・プルースト失われた時を求めて』も読み続けたい。読書メーターで彼は『失われた時を求めて』に関するコミュニティを開設した。そこで有意義な情報交換が出来ればと思っている。吉川一義訳でひと通り読み終えたら高遠弘美訳で読み直したい。

bookmeter.com

ここまで書いて、手詰まり……佐野元春Sweet16』から「Asian Flowers」を流す。金井美恵子の本も読み返したいなと思いつつ手をつけられていない。彼女の小説から恋愛論を学ぶというのも有意義なことのような気もしているのだった。『道化師の恋』なんて今読んだらどう映るのだろうか?

本が散らかった自分の部屋を見渡し、混沌とした自分の精神状態を思う。内面世界もまた雑多な本が散らかって足の踏み場もない自分の部屋のようだ、と思う。そのカオスが自分の取り柄なのかもしれない、と。話題は取り留めもなく広がる。須賀敦子を読もうかな、と思っている。

結局彼女となんの進展もないので、話題はこんな風にこれもまたフラットにならざるを得ない。まあ噺家でもなんでもないのでそんなに毎度毎度面白い話を期待されても困るというものだった。ともあれ今日も仕事をこなして草臥れた。それで充分ではないかなと思ったのだ。

あとはアルベール・カミュ『最初の人間』を読んでみたいとか、ジル・ドゥルーズ『狂人の二つの体制』を読みたいとか……読書のことばかり考えてしまうのが彼の困ったところ。過読症ではないかと揶揄されたことがあるくらい読書は埋没してしまう趣味なので、どうしてもその路線から離れられないのだった。

フォークナーを読みたい、ヴァージニア・ウルフを読みたい、ミシェル・ビュトールを読みたい、クロード・シモンを読みたい……読みたい本は数多とある。今出回っている新刊に興味が赴かないほど古典を読みたいと思っている。今の読書はそんな感じなのでこれからどう進展があるのか、これも分からない。

まあ、そんなところか。あとは古井由吉『仮往生伝試文』も読みたい……読みたい本をリストアップしていたらこんな時間になってしまった。もう寝るべき時刻だ。あまりお題と絡まない話になってしまったが、たまにはこんな回があっても良いだろう。ということで、また明日。